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生産管理業務は時代と共に変化する

生産管理とは

生産管理とはマーケットの「需要demand」と「供給supply」を見分け、バランスを保つ事を言います。
どんなに良い商品であってもマーケットの需要がないなら売れることはありません。
またマーケットの需要があるにも関わらず、販売側に準備が整っておらず供給ができないのであれば大きな損失となります。
このように市場には必ず需要と供給の関係性があり、生産管理業務には的確に需要を見極め、需要に合わせて瞬時に供給する事が求められます。
しかしこの需要には、今現在の需要だけではなく「将来的な需要」も含まれます。
つまり、この先の需要がどのように推移する可能性があるのか、どこで需要が生まれるのか、その需要に合わせて商品を供給するためどのような準備を行なうのかも生産管理業務には含まれます。

そもそも生産管理をする目的とは

生産管理の目的を端的に表すなら「儲けを出す」という一言になります。
この目的に関して日本と海外では少し異なっていました。
海外では早くから「儲け」を上げるために生産管理をするという見方がありました。
しかし日本で生産管理をする目的として考えられるのは「良い物を作るため」「生産を効率的に行なう事」「在庫を残さないようにする事」「生産から発送までを早くする事」です。
もちろんこうした考え方が悪いということではありません。
実際、こうした考え方があったために工場の清潔さや生産技術の向上などを日本の企業は実現することができました。
こうした部分に海外の工場や企業が学ぶこともまだまだ多いでしょう。

しかし日本で考えられてきた生産管理のこうした目的は、本来最終目的ではなく「途中目標」です。
どんなにこうした面で向上したとしても、それが売上UPつまり「儲け」につながらないなら意味がなく、会社自体の存続も難しくなることがあります。
例えば、生産ルートを確保し、高い技術を持っている日本の会社が倒産してしまうという話は、現代において決して少なくはありません。
つまり生産ルートや技術力を確保できているものの、需要を見分けることができず供給することができなかったということです。
これは中小企業だけの話ではなく、日本の大企業に関しても当てはまることです。
以前であれば「高い技術」があれば受け身の体制でも需要を見つけることができ会社を維持していく事も可能でした。
しかし現在ではマーケットは先進国から世界の新興国に移っているために、日本国内の需要を考えるだけでは不十分です。
この激変するグローバル化に生産管理が合わせられないのであれば、会社は時代という激流に流されてしまい生き残ることは難しいでしょう。
では具体的にどのように需要の変化が起きているのでしょうか?

グローバル化による需要の変化

日本国内の需要だけでは、生産管理の目的である「儲け」というものを多く生み出すことは難しくなっています。
日本企業がターゲットにしなければいけない対象は、日本国内や先進国だけではなく世界に広がる新興国であり、この需要を考慮に入れることがグローバル社会における真の生産管理業務です。
しかし新興国だけに目を向けて、国内や先進国の需要を無視するというわけにもいきません。
具体的にはどのような意味でしょうか?

自動車を例に考えてみましょう。
自動車の国内需要、先進国需要、新興国需要はそれぞれ異なっており、それに合わせた生産管理が必要になります。
エンジン1つを取ってみても、国内では環境保護と経済性の面でハイブリッド型の要求が大きくなっており、このニーズに合わせた生産体制を作ることが必要です。
先進国ではエンジンに対してパワーを求める傾向があり、単にハイブリッドエンジンを生産しているだけではこれらの国の需要に答えることはできません。
新興国についてはどうでしょうか?
安価な軽油で走る自動車の需要が高まっているため、ガソリン用のエンジンだけではなくディーゼルエンジンの販売と生産を行なう必要があります。
このようにまずマーケットの場所によって製品に対する要求が異なってくるために、その要求を的確に捉えることや要求に沿った製品の生産が必要になります。

そして需要の規模としては、国内需要はすでに安定期に入っているために大きくはないものの生産の基本となります。
先進国の需要は大きな伸びはないものの、引き続き拡大はしていくという傾向がありますので無視はできません。
新興国の需要はこれから大きく発展していく可能性があり、こうした可能性を考えて生産ラインや部品などの供給を確保していく必要があります。
加えて単なるマーケットの要求だけではなく、対象のマーケットの経済事情が悪くなれば、高級車よりも一般大衆車の要求が高まることもあるので、経済事情にも目を配る必要があります。
さらに法律の制定などによってエンジンや自動車のボディーに一定の規制がかけられることもあり、こうした政治事情についても生産管理では予測する必要があります。
このようにグローバル化によって、マーケットの要求や需要は絶えず変化をし、その変化が非常に早いためにこれまでのような事前に立てた計画通りにしたがって生産を行なう方法では迅速な対応ができなくなっています。

そのため生産管理業務において、どの新興国をマーケット対象にするのか決定し、その国での生産ラインの確保や部品の生産などを行っていく必要があります。
こうした分野はいわば経営の部分に入ってくるので、現在の生産管理業務には「経営的な一面」含まれてきており、経営陣への提案やアドバイスなどを行っていかなければなりません。

生産現場でのリーダーシップ

これまでの生産管理業務では、需要に沿った部品生産や生産ルートの確保までを行なうというものでした。
そのため製品に対するクレームなど現場の事については生産側にまかせており、生産管理業務ではあまりタッチしないという傾向がありました。
しかし生産管理業務には、生産ラインにおいて指揮をするという責任もあります。
現場だけで不良品への対処をすると、製品自体に目が行ってしまい製品の不具合を探すという作業になってしまいます。
しかし本当の製品不良の原因が、生産ラインにある場合には現場だけでは判断することが難しいため生産管理業務を行なう人のチェックが必要になります。
このチェックができないと製品不良はその後もずっと起き続けることになります。

そのため生産管理を行なう者が現場へ足を運び、整理整頓ができていない・現場での指揮系統がおかしいなどの生産ラインの不備を見極め、それにしたがって指導を与える必要があります。
現場のリーダーがきちんと現場を掌握できていないのであれば、現場のリーダーを教育し現場をコントロールできるように援助を与える必要があります。
つまり製品管理業務には「現場への介入」も必要になってきます。
これが新興国になると、他のマーケットよりも「現場への介入」が重要になってきますので、これもグローバル化による変化ということができます。

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